日本短歌協会賞

■趣旨
日本短歌協会では、優良歌集の顕彰を目的として、第一歌集を対象とする非公募制により、すなわち、選考委員の合議により選出し、6月に開催される定時総会時に表彰式を行っています。

第8回(2016年)の概況
日本短歌協会賞 小田部瑠美子『思ひ出は遙かに』(飯塚書店)
次席 山中もとひ『〈理想語辞典〉』(現代短歌社)

■受賞者プロフィール
■小田部瑠美子(おたべ・るみこ)
1936年1月4日1日福井県生まれ、福井県立藤島高校卒、國學院大学文学部卒。
2001年ナイル短歌工房入会、同人。
日本短歌協会理事、カルチャースクール講師。
趣味は①園芸、②謡曲、③仕舞。
特技は卓球、洋裁。
□『思ひ出は遥かに』抄
思ひ出の扉をそつと開くるごと金木 はほのかに香る
童謡を孫と歌へば娘も和する思ひは遥かな日日につなぎて
野をゆけど己が思ひのままならず浮かびし一首に飛び立つひばり

■山中もとひ(やまなか・もとひ)
1956年1月1日長崎県佐世保市生まれ、熊本YMCA学院建築技術専門科卒。
会社役員。趣味は読書。
2010年より「飈短歌会」同人、2014年より詩歌探究社「蓮」同人。
2016年より篤志面接委員(福岡刑務所短歌クラブ講師。
第2回「現代短歌社賞」次席。
□『〈理想語辞典〉』抄
〈理想語辞典〉連想語辞典をよみちがえしばし思えり理想の単語
腹太き輸送ヘリコプター見上げたり軍靴の蹠(あうら)吾(あ)が上を行く
白昼のゆめのごとくに夜の夢まこと夜半には発光する猫

■選考委員 梓志乃、井辻朱美、甲村秀雄、濱谷美代子、久泉迪雄、依田仁美
■表彰式 6月4日(土)17時より、シーサイドホテル芝弥生(芝弥生会館)

■歴代受賞者および作品
1回(2009年)
受賞 濱谷美代子『君の夕日に染まつてゐたい』(角川書店)
次席 森水晶『星の夜』(ながらみ書房)

2回(2010年)
受賞 該当作なし
次席 村田馨『疾風の囁き』(六花書林)
同  岡部修平『季の摂理』
(ながらみ書房)

3回(2011年)
受賞 三田村正彦『エンドロール』
(青磁社)

4回(2012年)
受賞 久保芳美『金襴緞子』(六花書林)
次席 冨田眞紀恵『季の約束』(短歌研究社)


5回(2013年)
受賞 柳谷あゆみ『ダマスカスへ行く 前・後・途中』(六花書林)
次席 斎藤雅也『萩の散るころ』(青磁社)


6回(2014年)
受賞 松本芙貴子『空色のかばん』(角川学芸出版)
次席 田中あさひ『まひまひつぶり』(六花書林)


7回(2015年)
次席 原詩夏至『レトロポリス』(コールサック社)
次席 渡辺知英子『無垢の音』(ながらみ書房)

■選考委員 綾部光芳、井辻朱美、甲村秀雄、濱谷美代子、久泉迪雄、三田村正彦、依田仁美
■表彰式
 66()17時より、シーサイドホテル芝弥生(芝弥生会館)
プロフィール
■原詩夏至(はら・しげし)
【略歴】
1964年東京都生まれ。「塔」「鱧と水仙」「あまだむ」「かばん」を経て現在「舟」会員。特技は「こんなか変わった奴であるのに、どっこい生きていること自体」趣味はジョギング。

【作品】
こそばゆく吹く春風に飛ばされる青い地球の黄色い帽子
僧形の俺を筏にのせたままどこへ流れてゆく星の河
叩き割るスイカ地しぶく砂浜のサーフボードのように僕らは

渡辺知英子(わたなべ・ちえこ)
略歴】1950年茨城県生れ。1976年創生入会、鈴木諄三に師事、1979年創生「第1回新人賞」受賞、1986年「創生」退会、2000年「白南風」入会。趣味は謡曲と仕舞。
【作品】
朝光の凍てし大気を融かすごと無垢なる音に鶴翔びゆけり

外灯の暈の範囲に降る雨の夜にやさしき秋をふくみて
朝の日に輝いて翔ぶ鳩の群れ白き光の冬連れてくる